2012年2月7日火曜日

北東北旅行記(2)

2日目 2012年2月3日 盛岡~大館

 早めに寝たこともあって6時前に目が覚めた。TVをつけてニュースを見ていると、今朝の盛岡の最低気温は-10.5℃だったという。生まれ育った湘南や、今暮らしている横浜では見たこともない数字で、寒さがどれくらいなのか想像もつかなくなってくる。朝食をいただいて早めの8:30にチェックアウト、寒いことは寒いが、快晴で風もないためそれほど寒く感じない。ひとまず今日の旅はIGRいわて銀河鉄道から始めるが、時間があるのでラッシュ終了直前のJRの様子を見に行く。
 県都盛岡とあって、列車が到着するたびに通勤客がドッと降りてくるが、どれも2両から4両の編成なので、すぐに人並みは尽きてしまう。乗客を降ろして一息入れている列車たちは、どれもこれも雪でびっしり覆われて、凄まじい形相になっている。正面はもちろん、床下機器や台車にも雪がへばりついていて、よくこんなになってまで走れるものだと感心した。もっとも耐寒・耐雪装備がしっかり備わった雪国仕様だからこそなのだろう。
 雪国を走るJR車輌たちを愛で慈しむと、改札を出てIGRいわて銀河鉄道の改札へ向かう。盛岡以北の東北本線は、新幹線の開業によって第三セクターに移管されていて、列車はもちろん改札までも分離してしまっている。新幹線改札とほぼ一体に見える華やかなJR改札を出て、駅ビル内を1階に下りる。駅ビルの店舗が開店前の時間帯だからだろうか、ひどく薄暗く感じる1階にIGRいわて銀河鉄道の改札があった。移管のあおりを受けたのが盛岡から北に21.3km離れた好摩から分岐するJR花輪線で、今はIGRいわて銀河鉄道のホームから発車する列車が大半になっていて、継子のようである。今日はこのJR花輪線で大館に出ることから旅が始まる。
 大館を6:36に出た1926Dが9:33到着する。この列車も例のごとく全身に雪をまとい、道中の雪深さを知らせていた。この列車が到着するともう一本JRのディーゼル列車が隣のホームに入り、こちらが9:46の大館行きになる。沿線に大学でもあるのか、二十歳ぐらいの男女と数十人と、近在のおじさんおばさん、そしてカメラをぶら下げた旅行者を乗せて、押しも押されぬ大幹線である東北本線(元)のしっかりした線路の上を、JRのディーゼルカーは快調に飛ばしていく。大学生と思しき男女と近在のおじさんおばさんも下車していき、やや閑散としてきたところで、10:12好摩着。
 ここからがJR花輪線になる。エンジンに身を震わせ、山越えして大館を目指す。好摩を出てすぐ、大更あたりから雪が降りだしてきた。岩手側は晴れているが秋田側は雪が続くとの天気予報だったが、少し早い気がする。さらに山間に入り松尾八幡平では本格的に雪になった。本来ここで上り列車と交換(行き違い)をするダイヤだが、ほとんど時間差無しで到着するはずの上り1928Dの姿が見えない。しばらくするとはるか先にヘッドライトが見え始め、雪まみれの1928Dが駅に近づいてきた。結局4分遅れの発車となった。JRになってから登場したキハ110は、国鉄型を大きく上回る高出力でぐんぐん山登りをしているが、さらにひどくなる雪に少し不安になってきた。横間あたりからは雪が強くなり、これから行く道すら雪に隠されるようになってきた。昨日のやまびこ号ほどではないが、雪を蹴散らしながら走っている。レールが見えなくなっきたため、こちらの不安感は増すが、運転士はひたすら前方を凝視し、駅が近づくと運転台横の時刻表に指を滑らせて到着時刻を確認する、いつもと変わらない運転をしているように見える。ただし松尾八幡平からの4分遅れを引きずっているだから、少しは違う部分もあるのだろう。
 県境を越え、4分遅れのまま十和田南着。ここでは建設時のルートの関係で、山登りとは無関係にスイッチバックする。時刻表では3~4分折り返し時間をとっているようだが、遅れを取り戻すためだろう、運転士と車掌が入れ替わるとすぐに発車した。このあたりから川沿いに走りながら、少しづつ標高が下がっているのが判るようになる。遅れを取り戻した1922Dは定刻12:33大館に到着した。雪はやんでいる。

0 件のコメント:

コメントを投稿