2012年2月12日日曜日

北東北旅行記(4)

3日目 2012年2月4日 浅虫温泉~三沢

 温泉旅館でゆったり過ごし、快適に目覚めた。朝食時には降っていた雪もやみ、浅虫温泉駅へ向かう。今日は大湊線と十和田観光電鉄を予定しているが、大湊線は運休しているらしい。9:37発の快速しもきた3526Dで直行する予定を一本早い9:09発504Mで野辺地まで先行してみた。9:30着の野辺地駅で大湊線の運行状況を確認すると、朝のうちは運休したが、とりあえず次の快速しもきたは運転されるとのこと。ただし青い森鉄道にはそれ以上の情報は入ってきていないという。ほかでもないこの野辺地から出る路線ぐらいは、他社とはいえ把握できるようにしてほしいものだ。
 野辺地から3725Dになる次の快速しもきたまで時間があるので、駅前に出てみる。久々の晴天に恵まれた町全体で除雪作業が進んでいた。除雪作業というよりも、何日も降り続いた大雪で埋もれた町を発掘しているかのようだ。時間より少し早く駅構内に入らせてもらい、鉄道記念物である鉄道防雪林の碑が見えるホームまで進んでみた。碑とホームの間にレールバスで有名だった南部縦貫鉄道があったはずだが、もとよりその痕跡などうかがえる状況ではなかった。到着時刻が近づいてきたので1番線ホームに戻る。ホームのへり、車体との間にまで雪が積もっている。うっかり体重をかけたら線路に落ちてしまいそうだ。
 ホームに列車が入ってきた。意外なことにキハ110の単行で、車内は混み合っている。ひとまず空席を見つけて腰を据えた。発車してしばらくすると車窓には陸奥湾が広がる。快晴の青空とそれを受けて紺色で静かにうねる海、そして周囲の雪のコントラストは、まぶしく美しい。ただ、陸奥湾の向こう、津軽半島の上空には暗い雲があるのが気になった。大湊線を半分ほど進んだ陸奥横浜を過ぎたころ、その暗雲が近づいて雪が降ってきた。下北、終着の大湊と進むにつれ雪は吹雪になった。10:57大湊着。ここは完全にJR東日本の駅なので、今夜のあけぼのの運転について訪ねると、いまのところ運休の情報は出ていないと言う。もっともこの状況では、いつ運休が決まるかは判らないので、こちらも心の準備はしておく。
 乗ってきた列車でそのまま折り返す予定だが、発車まで1時間近くある。タバコを吸おうと外に出てみたが、初めて体験する吹雪に落ち着いて一服などしていられない。待合室に戻って、駅構内の除雪作業を眺める。待合室のある駅本屋の前にあるのが1番線、列車が止まっているのが隣の2番線で、二つのホームはコの字状につながっている。本来1番線を使用するはずだった列車が2番線に変更されたわけがわかった。まず、駅本屋に積もった雪を下ろさねばならないが、駅前広場側に落とすわけにいかないので線路側に落とすのだ。この段階で1番線側が使用できなくなる。次に1・2番線を除雪するという手順だ。駅構内は込み入っていて機械除雪が出来ない。10人ほどの作業員がチームを組んで、線路上の雪をスコップでホームに放り上げ、ママダンプですくい取って雪捨て場に運ぶ作業を延々と続けている。ありがたさに目頭が熱くなってきた。


発車直前の車内から

 11:52折り返し3730D快速しもきたで野辺地へ戻る。途中の陸奥横浜では臨時の8331Dリゾートあすなろ下北1号と交換。新型ハイブリットディーゼルカーによるリゾート列車だが、このところの天気のせいか車内は閑散としていた。野辺地12:43着、12:46青い森鉄道570M八戸行きに乗り継ぐ、3時間前は快晴だった野辺地も今は雪になっている。三沢に13:12着。ここで今年度いっぱいで廃止になる十和田観光電鉄に乗車する。

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